技能士の雑記

新人君への メモの取らせ方について考える

お世話になります。

前回は仕事中には メモを取るべきかどうかについてお話をしました。

仕事中に メモは取る?取らない?

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私の持論としては「どっちでもええ」となったのですが、

やはり先輩側からすると しっかりメモを取って早く仕事を覚えて欲しい、と思われる方が多いのではないでしょうか?

今回はメモを取ってもらえない、じゃあどうするのよ?って感じの話です。

今回の内容

・メモを取ってもらうには?

・メモをどのように取らせるべきか

よろしくお願いします。

 

メモを取ってもらうには?

なぜ最近の若い子はメモを取らないと言われがちなのか

一言に「メモを取れ」と教えても、教える側が考えているほど 正しくメモを取ってくれる人は中々いません

怒られないように書いているだけの人もいるでしょう。

書けと言っても書いてくれない、これは何故起こるのか?

個人的には インターネットの発達が要因になっているものと考えます。

調べたら大体の事は 分かるようになった、とかではなく、個人個人で その正当性を調べられるようになったからではないかと。

 

頭ごなしにメモを取れと言っても、言われた側がいざネットで調べてみたら

「マニュアルがあるのが正しい姿では?」

「スポ根じゃないんだから・・もう流行らんよ?そんなの。」

「本気で覚える気持ちがあるならメモが無くても覚えられるはず」

「メモを取ったら100%覚えられるって思われているようですが・・・」

「都度聞く方が早いやろ。しばらくしたら覚えとるもんよ」

「どっちでもええやろ」

このような意見がたくさん出てきます。

もちろん メモは取るべき という意見も出てきますが、人間 自分の都合の良い方に捉えがちになりますからね。

どうすればいいのか

それではどうすればメモを取ってもらえるのか?答えはひとつ、教わる側にメモを取ろうと思ってもらう事です。

だからそれをどうするんだよ、と言われそうですが、

「メモを取ってもらう」と「メモを取ろうと思ってもらう」では個人的に大きな違いがあります

以前記事にした【認知・理解・納得・共感】についてお読みいただければなんとなく分かっていただけるかと思います。

行動までのステップ
【認知・理解・納得・共感】人に協力してもらうために考えること【雑記】

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上記の内、少なくとも納得まではして貰わなければなりません

教える側・教わる側という関係上、今回の場合は共感までは必要ないかもしれませんね。

行動までのステップ

 

正当性を理解させる

納得してもらうには 理解が必要、今回の場合は『メモを取る目的と必要性』を理解して貰う必要があると考えます。

大事なのは 目的と必要性が共に満たされていることです。

例えば「仕事を覚えるためにメモを取りましょう」、これではダメです。覚えるためにメモが必要かどうか分かりません

加えて「メモを取った方がちゃんと覚えられますよ」、と言ってはどうでしょうか?個人的には これでも微妙です。

この場合は なぜメモを取った方がちゃんと覚えられるのか、まで伝えないと必要性が分かりません

 

「教えたことが理解できているか 確認したい。そのためにメモをとって欲しい」個人的にはこれなら納得できます。

目的は『理解できているかの確認』です。確認するためにメモが必要かは分らんやろ?と思われるかも知れませんが、

この場合、教える側にとっての必要性を説きましょう。

「動作として覚えていないか」「要点の区別が付いているか」傍から見ただけではわからない旨を伝えます。

 

「メモ取らんことに怒る先輩も居るけ、一応取るようにしとこうや」

個人的には最悪 これでもいいかなとは思います。

この場合の目的は『先輩に怒られないこと』必要性は『メモ取らないと怒る先輩が要るから』。

ただしメモを取らせる本来の目的とは違いますね。

 

どのみちメモを取って貰ったら 内容を確認してあげるのが良いでしょう。

ちゃんと取れて 理解できていれば褒めてあげ、不足があれば補足してあげましょう。

確認して貰えるっていう事自体に 意義を感じてくれる方もおられます

 

納得してもらえなかったらどうするか、その場合負けを認めるしかありません。怒ってはいけません。虐めてもいけません

逆に教わる側の方は、この記事を見て 先輩を試すようなことは しない方がいいです。善い人ばかりではありません

 

メモをどのように取らせるべきか

結構個人的な意見になりますのでご注意ください。

毎回教えることはマニュアル化すべき

毎年のように新人さんに言う事や 新しく作業を習う方に毎回説明することはマニュアルにして渡しておきましょう

設備の立ち上げ方や 起動のかけ方などがこれに当たりますよね。

メモを取る手間も省けますし 習う事に集中できます

そのうえでマニュアルに書いてない個人的なポイントや 補足などをメモさせるのが良いと思います

技能の世界はそんなに簡単じゃない?それは承知で言っています。

ただ銘文化できるなら マニュアルにできますし、出来ない・しても分からないならメモの必要は無いのでは?

 

個人的なポイントや補足って在っていいの?

マニュアルにおいては 出来るだけ個人個人のポイントは書かないことをお勧めします。

本来 皆が同じ手順で作業できるようになっているべきですが、現実的な話をすると中々そうはなりません

体格や感覚の違いなどもありますので その点をクリアしなければなりません。

個人的なポイントを伝えるのであれば 本来はどうするのか もちゃんと教えましょう。

補足については「昔はこんなやり方だったよ」とか今の作業を覚えるだけなら必要ないけれど 一応知っておいて欲しいことなど。

 

1回限りや 特別な指示はメモを取らせる

格好つけて機械加工士的に言うと ワンショット(1回限り)の指示や特別な指示はしっかりメモを取らせるのが良いでしょう。

と言いますか、個人的にはメモを取るのはこの辺りだけで良いと思っていたりいなかったり・・・。

・「今日の最初のワークだけは○○に持って行って」

・「〇月〇日までは 工程変更のテストをするから手順が変わってます」

上記の様に 一回限りであったり 期間限定の内容とかはメモしてもらいましょう。

(期間限定の物については出来ればメモが無くても分かる様にはしてあげたいですが)

 

情報を整理する時間を与える

マニュアルに書き込ませようが 一つひとつ手順をメモさせようが、いずれにせよ情報を整理する時間を与えましょう。

仕事を指導する時は 何かと時系列順に教えられなかったり、「今回はこの手順は端折るわ」など手順を飛ばすこともあります。

おのずと 飛び飛び と言いますか 点と点で教えることも多いので その辺りを整理する時間も必要です。

 

メモを活用できているかを確認する

メモは書くだけになってしまうと意味がありません。

あとで見返し、情報を整理し、正しく活用できてこそ意味が出てきます。

メモをちゃんと取っているにも拘わらず正しく作業ができない場合は、情報の整理と活用が出来ていない場合が多いです。

教える側の人は その点を意識して 必要な事が書かれているか・整理できているかなどを確認してあげましょう。

 

 

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

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