お世話になります。きり彦です。
前回に引き続き、今回は技能検定・マシニングセンタ作業の 内容と練習時のポイントについてお話しします。
今までと違い 今回は原則1級のみの説明になりますが 2級については 1級の課題から 内容がいくつか減っているだけなので、
ポイント等は殆ど同様でいいかと思います。個人的にはいきなり1級を狙っても良いのではないかと思います。(受験資格がある場合)
旋盤・フライスと比較すると 実技試験・学科試験に加え 計画立案等作業がありますので ご注意ください。
なお今回の内容は平成29年度の試験をもとに作成しています。
それではよろしくお願いします。
今回の内容
・実技試験の内容と練習時のポイント
・計画立案等作業の内容一覧
実技試験の内容
実技試験は1級が6課題、2級が4課題で構成されています。
※権利上課題名は若干変更しています。
【1・2級】仕上げ面の状態から加工方法を選択する 5分
穴が開いたワークが 5つ提示されるので それぞれどの切削工具で切削されたものかを判断する
5つ全てではなく 指定されたものについて 回答する形式だった覚えがあります。
だいたい以下の5種類の加工が 提示されやすいそうです。
・ドリル
・リーマ
・ボーリング
・エンドミル
・ローラーバニシング
練習…というか勉強時のポイントとしては 普段から様々な切削加工の加工面を見ておくことです。
普段実物が見れない人は 【ドリル_加工面】【リーマ_加工面】などで検索してみましょう。それぞれの加工面を比べ どのような特徴があるか掴んでおきましょう。
なお 私が受験した際は 提示されるワークの穴径は結構大きかったです。エンドミルもヘリカル加工でやってたんじゃないかと。
もう少し詳しいものはこちら↓
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【マシニングセンタ】加工方法ごとの仕上げ面を観察してみましょう
お世話になります。 以前 技能検定 マシニングセンタの作業内容をザックリ説明させて頂きましたが、それぞれをもう少し詳しく、ということで 今回は仕上げ面の状態観察についてお話いたします。 作業内容概略は ...
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【1・2級】表面粗さの判断と切削条件の設定 5分
部品が渡されるのでそれの粗さを自分で判断し、判断した表面粗さを 提示された粗さに変更するときに必要な送り速度を設定します。
他の作業もそうですが 部品に番号が振っている場合があるので注意しましょう。
なお本番では 粗さ標準片が使用できないので 練習のポイントもどのように粗さを判断するか が重要になるかと思います。
どうしても判断が難しい場合は自分の爪とか 持ち込む筆記用具の粗さを あらかじめ測っておき それを基準に判断してみるとか やりようはあるかもしれません。(責任は持てませんが)
送り速度は比率で計算するのが 見やすいかと思います。
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【マシニングセンタ】表面粗さと送り速度の関係について
お世話になります。 前回に引き続き技能検定:マシニングセンタ 実技のポイントのお話です。 今回は表面粗さの判断と 送り速度の設定についてです。 作業内容概略はこちら↓ 今回もよろしくお願いします。 今 ...
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【1級】 表面粗さ・切削条件から 使用された刃物を判断 5分
表面粗さのパラメータと切削条件(被削材・切削速度・送りなど)が提示されるので、どの種類の刃物で加工されたものかを判断するといった内容です。
最低でも 以下の4種類について判断できるようにしておきたいですね。
・超硬
・サーメット
・セラミック
・ダイヤモンド(PCD)
・(ハイス)
ポイントとしてはそれぞれが どんな材料の加工に向いているか、荒加工に向くか仕上げに向くか、切削速度に違いはないかなどで 判断できるといいかもです。
刃具メーカー様のカタログなどを参考にしてみてもいいかもしれません。
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【マシニング】刃物・被削材の種類による切削速度の違いと相性について
お世話になります。 引き続き技能検定:マシニングセンタの対策っぽい記事になります。 作業内容概略はこちらから↓ 今回は加工条件と表面粗さの測定結果から 使用された刃物の種類を判断する課題についてです。 ...
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【1級】 仕上げで使用する刃物を確認し 加工の可否を判断 5分
エンドミルのバックテーパ・テーパを測定し、簡単な加工図面(というか略図)が提示されるので それが加工できるかを判断します。
加工の可否・テーパー量が回答になります。
エンドミルのテーパー測定に若干の慣れが必要ですので あらかじめ練習しておきましょう。
本番ではエンドミルの測定個所が欠けていないか などにも注意しましょう。
エンドミルは使いまわすので自分の前の人が誤って欠けさせてしまう場合もあり得ます。
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【マシニングセンタ】エンドミルのバックテーパーと仕上げ面形状
お世話になります。 引き続き 技能検定:マシニングセンタの参考っぽい内容です。 作業内容概略はこちらから↓ 今回は実技で行う エンドミルでの加工ができるかの判断についての内容です。 よろしくお願いしま ...
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【1・2級】ワークの測定作業 5分
ワークの内径や段の深さなどを測定します。
・シリンダーゲージ
・デプスマイクロメータ
・ノギス
・外側マイクロメータ
シリンダーゲージの組み立てや 0点合わせも 時間内に自分で行いますので、意外と時間がありません。
ワーク測定に加え シリンダーゲージの段取りの練習をしておきましょう。
ノギスはアナログのものを渡されますが、最悪ノギスで100分台の測定ができるようにしておくのがお勧めです。
本番、緊張などでテンパり、シリンダーゲージが上手く段取りできなかったという人もいます。
デプスについても0点出しを行いましょう。
【1・2級】設備の芯出し 10分
マシニングセンタのインデックステーブルの芯出しを行います。
テコ式のダイヤルゲージ等が渡されますので それを使用しテーブルの回転中心を出します。
噂ですが採点のウエイトが非常に多いそうです。
本番で使用する設備によって若干操作など 違いがありますので注意しましょう。
また練習と本番で設備が違う場合は 本番までに 実際に使う設備を見せて貰っておくのがいいかもです。(設備の仕様などは送られるかと思いますが。)
計画立案等作業 ※別記事に回します
1級・2級で同じような課題となっており 実技試験とは言われていますが 形式的にはペーパーテストとなっています。
切削工具 刃先の障害について 分類と定義付け・対策の検討
ワーククランプの方法について選択
加工経路(座標値)の判断
使用工具および加工を行う順番の設定
切削工具ごとの加工条件の設定
単位時間当たりの切屑排出量・最大切込み量の判断・設定
加工時のトラブルシューティング(切削工具)
加工内容に対する使用工具の選択
加工プログラムの読解・誤りの判断
おわりに
お疲れ様でした。
思ったより実技の説明が長くなってしまいましたので 計画立案等作業の方は別の記事に回します、ごめんなさい。
マシニングセンタについては 技能に加え 情報戦でもあるかと思いますので、過去に受験された方が周りにいらっしゃる場合は話を聞いてみた方がいいかもです。
また 当ブログでも各課題について もう少し詳しく解説しますので、興味がある方はそちらもよろしくお願いします。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!