お世話になります。
今回は『温故知新』というところから 安全や品質について考えていこうかと思います。
温故知新:故きを温ねて新しきを知る(ふるきを たずね あたらしきを しる)
昔の事柄を研究して 新しい知恵や知識を得ること。
よろしくお願いします。
歴史を読み解けば 未来が覗ける かもしれない
温故知新について どのような認識ですか?
正直僕は あまり理解できてはいないんですが 本来は、
「昔の事柄を理解し、そのうえで新しいことを知ると 応用が効いていいですよ、あと人に上手に教えることができますよ」
みたいな感じだと思います。
ただ個人的には過去の事例から学んで 未来を予測する、未来予知の言葉なんやな。
お年頃ですね
しばいたろうか?
暴力はいけませんよ?
今回の話はそういう事やな。
殴られそうになった時 『叩かれたら痛い』と知っとるから 防ごうとしたり 避けようとするんや。
これもある意味 未来予知の結果の行動やろ?
雰囲気は分かりましたけど 現場で働くことに どう繋がるんですか?
僕らは 日々 安全・品質 だとか、小集団活動だとか、色々な取り組みをしとるんやが、
活動中に行動を決めたり 対策を考える時に、『本当にそれでいいのか』を自問する事に繋がる。
取り敢えずは 安全活動の一つ『KY』を例に挙げてみようか。
KY
危険予知のこと。
作業前に 作業の危険ポイントを洗い出し、安全な行動に落とし込むヤツ。
惰性でやり勝ちだが、多くの災害はこれを怠って発生する。
例えば クレーンで荷物を移動する作業、どのような危険が潜んでいるか?
真下に居た時、荷物が落下して 潰される、とかはよく聞きますね。
そうやな。 不注意からか 管理ミスか、はたまた「自分は大丈夫」という過信からか、
過去に多くの人が ペッチャンコになって来とる。
ただ、『落下して』だけ、って言うのは少し 物足りんな。
荷物が落下するにも 色々理由があるんじゃなかろうか?
ロープが切れて とか、バランスを崩して、とかですね。
そう。 「荷物を運搬中、積み荷のバランスが悪く 落下して、下にいた作業者が下敷きになる」
このように「○○が△△して□□になる」って感じに考えるといいんですね。
もう少し続けると、バランスが悪くなるにも色々あって、「一か所で保持している」とか「左右の重量が違う」とかがあるんじゃが、
複数人でやる場合は あまり 細かく言いすぎるのは タブー視される事もある。
細かいほど良いってわけじゃないんですか?
何か、対策を行う視点が 狭まるらしいわ。
「左右の重量が違う」なら 「左右の重量を合わせる」って対策になったりな。
この辺りは 僕もどうあるべきかは 悩みどころだったり・・・。
それで、『温故知新』との関係は?
さっきのクレーンの話やが、対策としてよく挙げられるのが
・荷物の下に立たない
・ロープの点検をしっかり行う
・固定する位置やバランスを考えて 荷を積む
とかだと思うんですよ。
ただ、クレーン以外の災害を見た時に
・風に煽られて 看板が飛んできた
・作業者二人がお互いの作業に集中していて接触した
とかもあるわけで、
荷物の下に居なくても 下敷きになる事や、荷物の下に居ることに気づかなかった、という視点も必要になってくる わけやな。
あくまで 今回のは例になるけども、危険予知として 予知のレベルを上げるには 昔に起こった悲劇を幅広く知らんといかん。
該当作業だけでなく 他分野の 過去を知っておくのも良さそうですね。
その通り。
故きを温ねるって言っても 自分の専門だけでなく 他分野にも目を向けるのがええ。
今までに無かった新しい目付きで 物を見ることができるようになるかもしれん。
過去を知る という点で注意していることはありますか?
『現象』だけでなく 『経緯や背景、当事者がどう考えていたか』を気にしとるかなぁ。
「○○をしたら成功した」とか「△△だから失敗した」とかよく聞くけども、その○○や △△が 自分の置かれとる状況にあっているかはわからんし。
その辺はまた 違う記事で話ができればいいかなと。
未来を予知する、とか偉そうなこと言ってますが、活用できていますか?
実際に活用出来ていて 効果が有ったかと言われると 分からんのよね・・。
ただ 冒頭でも話したように 自分の判断に対して自問するきっかけにはなっとるで。
過去を振り返れば、安全では 下手にルールを作っても 守らん奴は守らんし、品質では チェック回数を増やしても 不良品が突破する事例もある。
だから、いろんな活動で 自分が決めた 取組内容について 本当にこのやり方で正しいのか、取組後の未来を考える。
その時は 過去に誰が どんなことをやってきたのかが非常に参考になるで。
特に他人が 自分の思った行動を取ってくれると 当てにしたらイカン。
今回の趣旨とは違いますが、行動面ではなく 物的や仕組みでの取り組みが必要ってことですか。
間違ってはないとは思うねんけどな。
注意せんといかんのが、やれ『物的』やら『仕組み』やら言う人の中にも 人の行動を当てにしてる人もおるんやな。
人の行動によらないから 物的や仕組みって言うのでは?
それはそうなんやが、完璧な仕組みなんて 世の中にそうそうあるもんちゃうで?
・柵を立てたので 稼働中はこの中に入らないでください
・誤って入っても安全装置が作動します
・この手順なら 誤った場合でも 必ず気づきます
この程度のものを 完璧な仕組みだとか言う人も ちらほら居るんや。
人が間違えても大丈夫そうに見えますが・・?
基本的には問題にならんし、僕も安全や品質の活動をするときは 上で挙げたような事をしとる。
ただ、この程度で『完璧』と言えてしまう人は 過去に それらが覆ってきたことを知らん。
上のような物的対策や仕組みは 人間の『悪意』や『自分勝手な正義』に弱いんやな。
前に何かの記事でも書いたんやが、僕はちょびっとだけ 電気配線とかもできるんや。
ちょびっとが どの位かと言うと、僕が働いている職場の安全装置くらいなら 全部無効にできるくらいやな。
因みに 停止中・稼働中関わらず無効にできます。(間違えると設備が止まりますが)
※RAの記事・おわりに、で書いてましたね。
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【安全】RA:リスクアセスメントの進め方と実際
お世話になります。 前回チラシ裏の安全会議#2で リスクアセスメントについて触れましたが、 今回はリスクアセスメントとはどのようなものか、やり方などについての記事になります。 よろしくお願いします。 ...
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そんな人間が
「ガチャで爆死したわ・・・労災・・指一本・・○○万かなぁ」
とか考えて 実行まですると 『完璧』と思われた対策が覆るんやな。
あとは『生産が間に合わない・・そや!手順変えたろ!』
みたいなパターンも同じ感じやな。
故意の場合、保険金は出ないのでは?
故意とバレんければええねん。(絶対にダメですが)
実際にそんな人がいるんですか?
具体的には言えんけど 居る。僕の職場ではそんなことありませんが。
特に『良かれと思って・・』みたいなパターンは 遡れば過去にいっぱい事例がある。
どちらかというと そんな人が居るか より、『やろうと思えば出来てしまう』のが問題やな。
だから、完璧 と言いたいなら せめて『やろうと思ってもできない』のレベルまで持っていかないとな、とは思う。
・怪我をしようと思ってもできない
・不良を出そうと思ってもできない
そんなこと、可能なんですか?
今の僕レベルじゃ とても無理やなぁ・・・。
だから、結局 インターロックや手順とかで 防いどることばっかなんやが、それ自体は良いことやと思うし、進めるべきやと思います。
いきなり完璧は目指せません、だから 安全の風土や 作業での危険予知が大事なんやな。
大事なのは 『これなら大丈夫』と思わずに 過去の事例から思いを巡らせて どういう事が起きるかを予想することやな。
行動や仕組みの 脆弱性を 考えるってことですね。
そういう事です。
話が逸れたような気もしますが、何とか温故知新に繋がりましたかね?
さぁ・・どうなんでしょうね?
そういえば『やろうと思ってもできない』って以前工場見学した・・
ある飲料関係のメーカーさんが 目指しとるやつやな。
僕は機械加工の人間ですが 非常に参考になりました!
まぁ本来は機械加工の人間ではないんですがね。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!