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【安全】RA:リスクアセスメントの進め方と実際

お世話になります。

前回チラシ裏の安全会議#2で リスクアセスメントについて触れましたが、

安全委員会見出し
【チラシ裏安全会議#2】安全活動の進め方を考える

お世話になります。 前回に引き続き チラシ裏程度の内容で 安全について考える会です。 前回は そもそも安全とは何ぞや、という話をしました。 第2回となる今回は 安全活動を行う際の 進め方や考え方につい ...

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今回はリスクアセスメントとはどのようなものか、やり方などについての記事になります。

よろしくお願いします。

今回の内容

・リスクアセスメントとは

・リスクの洗い出し

・リスクの見積もり

・低減措置の優先順位と内容の検討

・低減措置の実施と確認

リスクアセスメントとは

リスクアセスメント(以下RA)とはどのようなものかと言いますと

RA

潜在的なリスクの洗い出しと見積もりを行い そのリスクの低減が出来るような措置を行う活動

安全衛生法でも 義務あるいは努力義務となっていますので 多くの企業が行っている活動なのではないでしょうか。

簡単に言うと 怪我をする前に職場と作業の危ないところを見つけてヤバそうなやつから対策をしましょう、って感じです。

自分と仲間を災害から未然に守るのが目的となっております。企業の建前と上司のメンツを守るのが目的ではありません。

因みに作業場の危険に対する通常のRAと 化学物質の危険に対する化学物質のRAとに分かれます。

リスクアセスメントの進め方

RAの進め方は大きく4段階に分かれます。1つずつやり方とポイントを見ていきましょう。

リスクの洗い出し

職場(作業)にどのような リスク(危険)があるかを洗い出します。

危険源と事故の型を具体的に 挙げていくのが良いです。

危険源とは 作業で使用する設備作業で発生するもの(火花や切屑)通路にある台車や柱・ポールなど、

これとぶつかって怪我をする これに躓いて怪我をする など怪我の原因となるものです。

設備に関しては設備のどの部分か 具体的に挙げるとより良いです。

事故の型とは 危険源と接触することでどのような事故が起こるのか、といった感じです。

主な事故の型

【転倒】【挟まれ・巻き込まれ】【切れ・擦れ】【激突】【墜落・転落】【高温物との接触】【低温物との接触】【感電】【飛来・落下】【有害物との接触】【酸欠】

他いろいろあります。

事故の型は様々ですが製造業だと以上のものが多いのではないでしょうか。

会社によっては危険源と事故の型に加え どんな怪我をするかも挙げるところがあります

怪我の種類はいわゆる切創(切る)や打撲、骨折などのことを言います。どこを怪我するかも大事です。

これらを踏まえるとだいたい以下のような文章で洗い出しをすることになるかと思います。

洗い出しの定型文

○○(危険源) に △△(事故の型) して □□(身体の部位) を ✖✖(怪我の種類)する

※会社によっては事故の型までで終わり

リスクの見積もり

リスクを洗い出したら そのリスクがどのくらいの大きさか 見積もりを行います。

怪我をした場合の重篤性(怪我の大きさ)と怪我の可能性の視点から 見積もりを行います

重篤性とは災害が起こった場合どの程度の怪我が想定されるか の評価です。大きく4つに分かれます。(3つに分けられる場合もあり)

1 不休災害:擦り傷などの小さな怪我(いわゆるツバつけときゃ治るレベル)

2 休業災害:一旦会社を休むレベル(骨折など ほな、病院行きましょうね~ってレベル)

3 重大災害:欠損や後遺症を伴うもの(腕飛んだり 失明したりなど)

4 死亡災害:文字通り死亡する可能性がある災害

3つに分ける場合は重大災害と死亡災害を一つにする場合が多いです。

怪我の可能性についても 3つ、または4つに分類されることが多いです。

危険源と接触する頻度や安全対策の具合などから検討します。

1 殆どない(1年に1回くらいの頻度、または安全装置などがしっかりとしているものなど)

2 可能性がある(1週間に1回くらい、手順・ルールがしっかりと決められ守られているなど)

3 可能性が極めて高い(1日に1回、保護具や注意していれば起こらないものなど)

4 ほぼ確実(1日に何回も繰り返すもの、注意していても避けられないなど)

この辺は判断基準があいまいになりがちですね。より複数の人の視点から判断しましょう

次に重篤性や可能性を踏まえてリスクレベルを見積もります。

例えば 怪我の可能性がほとんどない かつ怪我をしても擦り傷程度のものは許容できるレベル

可能性が高くても 擦り傷程度のものや ほぼ災害は起こりえないがもし起こったら骨折するものは 多少またはそこそこ問題があるレベル

可能性が極めて高いし しかも体の欠損が起こる可能性があるものは直ちに改善が必要なレベル

といった感じです。

低減措置の優先順位と内容の検討

洗い出し、評価したリスクについて低減措置(対策)の優先順位付けと内容を考えます。

優先順位は基本的に リスクレベルの高いものから実施します

個人的にはやりやすいヤツから 片っ端から対策をするのも 活動を止めるよりはいいかなと思います。

リスクレベル・難易度が高いものは 偉い人やリーダー、リスクレベルや難易度が低いものはメンバーがやるなど 役割分担するのも良いかもしれません。

その場合は メンバーのレベルアップのため 徐々に難易度の高いものを 偉い人やリーダーが協力しながら 与えていくのも大事だと思います。

 

低減措置の内容については以下の順番で考えていくのが良いかと思います。

1 危険源の除去:危険となる作業を自動化して人が触れないようにする、そもそも作業自体を無くすなど

2 本質的対策:設備の構造や作業方法をリスクの低いものに変更など

3 工学的対策:インターロックなどの安全装置 安全柵やカバーなど

4 管理的対策:手順・ルールの整備や教育・訓練を行うなど

5 保護具や表示:適切な保護具や表示などで危険源の見える化

6 気を付ける!

出来るだけ1~4の対策をすることが望ましいとされています。

低減措置の実施と確認

低減措置の検討を行ったら、対策を実施します。

対策の結果、リスクレベルがどうなったか、加えて残存するリスクはないか確認をします

大体ここまでが いわゆるRAシートの内容ですが、実施後の確認について 手順・ルールや保護具で対策をしている場合は、

手順が守られているか、保護具は正しく着用されているかも確認するのが良いかと思います。

おわりに-RAの実際と本音

お疲れさまでした

今回はRAの進め方についてお話ししましたが、皆さまの会社はしっかりとRAをされていますでしょうか?

実際は 義務・または努力義務に定められているのが厄介なところで、

気を抜くとRAをやらないといけない=RAシートを埋めるになってしまいそうですよね。

ちゃんとやろうと思うとなかなか 難しいものがありますが、最低限リスクの洗い出しだけでもしっかりやりたいところです。

危険だと思って注意している場合は だいたい怪我をしない と思っていますので。

また上記の低減措置のところでは 出来るだけ管理的対策(手順やルールの整備)以上の対策を打ちましょうと言ってますが、

個人的には工学的対策より上が望ましいと思っています。

手順やルールなんてものは、破ろうと思えば破れますし、勘違いや忘れが起きるものなので 実際は 気を付ける と同レベルだとも思っています。

何なら安全装置(インターロックなど)も微妙です。自慢ではないですが 私は制御関係もちょっとだけ出来るので 自職場の安全装置くらいなら全部無効にできますしね。

 

余談が多くなりましたがRAは正しく行えば 災害の未然防止に非常に有効になります。

自分と仲間の命を守るために しっかりと活動していきましょう!

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

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