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切削工具から【コスト改善】を考える会(目付きやポイントなど)

機械加工で利益を追求する上で 避けては通れないのが 切削工具や治工具の費用であります。

今回はコスト改善について 切削工具(以下刃具)の視点から お伝えできればと思います。

刃具に重点を置きますが 治工具でも 同じ考えが出来るところもあるかと。

(といっても 私の脳内会議程度の話ですが)

よろしくお願いします。

今回の内容

・刃具改善の目付き

・改善のポイント(Q・C・Dの視点で)

 

刃具改善の目付き

刃具改善って何だろう?

そもそも刃具改善って何ぞや?ってところなんですが、個人的には刃具メーカー側・刃物を使用するユーザー側で捉え方が違いそうです。

メーカー側としては より高寿命な刃物・精度よく削れる刃物・切粉の処理能力の開発のことを言うのかもしれません。

ユーザー側としては刃物を変更することで生産原価を落としたり、生産性・品質の向上を狙ったりすることかもしれません。

そもそも 刃具改善 でGoogle検索してもあまりそれっぽいのがヒットしないことから 私の周りで使っているだけの言葉の可能性も・・・

そんな感じで結構 定義はフワッとしていますが 私の考えとしては、

刃物の目付きから生産をより良くする活動

今回はこれを刃具改善と呼ぶことにします

安価品購入や値切りだけが刃具改善ではない

刃物の視点からコスト改善 と言われると、どうしても安価品を探してしまいますよね。

しかしながら 刃物の単価が安くなるからと言って 安易に安価品に変更すると思わぬところで足を掬われるかもしれません。

寿命や段取り時間・切削能力など、様々な視点から総合的に判断するのが良いかと思います

 

改善のポイント(Q・C・Dの視点で)

本題ですが 私が普段考えていることをお伝えします。

何が優先されるかは 会社によって方針が違うことと思いますので 以下の例に上下関係はありません。

結局、ひとまず値段を見ちゃいますよね・・

先ほどはそれっぽいことを言ったものの まずは安価品があるか 気にしてしまいます。

同等品であれば 結局安ければ善かろう なのです。同等品であれば!高すぎると買えませんしね・・・

因みに私は値切るのは苦手です。。

刃具寿命はどうか?

刃物の値段は2倍になっても 刃具寿命が2倍以上になれば 有利という考え。

刃具交換の回数が減る=刃具交換ロスが減るので、寿命2倍>値段が2倍 という感じになります。

この時点で安価品だけがコスト改善ではないと分かりますね。

因みに刃先形状の見直しや刃物の材質変更などが寿命UPに効果ありです。

一声に超硬、PCDと言っても色々種類があります。(成分の配合や密度・粒径など)

刃物の再研磨(再生利用)は出来るか

多くの人・企業が刃物を再生して利用されているかと思います。

再研磨費用>新品単価 の関係にある場合、新品単価が同じでも再研磨できる回数が多い方がユーザー側としては有利です。

段付きのドリルや刃具の刃長・エンドミルなら外径などを見直してみると良いかもしれません。

軸物(ドリルやエンドミル)だけでなく、インサート(俗にいうスローアウェイチップ)も再生できる場合が多いです。

もちろん 新品を買った方が安いパターンもありますので注意です。

刃物の再研磨を請け負っている 企業もありますので相談してみると良いかもです。

品質面で比較する

切削面のビビりを抑えるには 不等リードのエンドミルが効果がありますが、

不等リードのエンドミルは、基本的には通常のものより高いです

しかし品質不良は生産にとってかなりのロスになりますので(特に手直しが聞かない場合は物量ロスも発生)、

刃物の単価だけで考えるのは危険です。逆に過剰品質になっている場合もあります。

ビビりを例に挙げましたが 表面性状・寸法が出るか出ないか・切削熱によるワーク変質など様々です。

生産能力で比較する

時間=コストでもありますので 品質に問題がなく 値段が同等な場合、より切削能力が高い方が有利かと。特に大量生産の場合は効果が大きいです。

お客様との信頼関係なども考慮すると 利益が下がっても 生産能力を上げることには意味があったりします。

この辺は企業の考え方が大きく出るかもしれません。

また切屑が巻き付いて品質不良や、部品の搬送に影響し チョコ停が多発する場合は 刃物の値段が上がっても 切屑の処理能力が高い刃物を選ぶのも良いかもしれません

リードタイムで比較する

リードタイムとは 発注をかけてから 手元に届くまでの時間のことを言います。

なるべく早い方が 在庫を少なくできるので有利です。値段が同じならより速い方を選ぶのが良いかと思います。

例えば リードタイムが60日、刃具寿命が2日で1本廃却、 発注を1か月に1回しかしない場合は 常に15本程度は同じ刃物を持っておかなければなりません。

この場合、2日に一回発注を掛ければ 在庫は最低1個で済みますが 発注の手間や受領などの処理を考えるとメリットが少ないですよね。

ただ在庫の持ちすぎはロスの基ですのでこの辺は結構難しい話になりますよね。

一般に在庫管理にも費用が発生しますので、単価が高くてもリードタイムが短い方が有利になるパターンもあります

代替えが利く標準品を第一に。特注品はしっかり検討

刃具に於いて 材質や形状などを 製品ごとの専用設計にするのは かなり魅力的ですよね。

段替えレスで加工が出来たり、寸法が安定したりなど様々な恩恵があります。

これも 特に大量生産の場合は効果が大きいです。

しかしあまりにも 一つの製品に対して特化しすぎると 製品が生産終了になると 他の製品では使えない、という場合もあります。

その場合 手持ちの在庫が全部ロスになる事もあったり、非常にお疲れ様なことが起こりえます。

一般に特注品は リードタイムも長くなる傾向にありますので、生産量や将来の見込みなど慎重に検討して購入をしましょう。

刃具交換・再研磨費用の検討

再研磨の内容と少々かぶりますが 刃具の交換・再研磨の時間も考えてみましょう

NC機の場合、刃物交換時には 刃物の高さを合わせる プリセットと呼ばれる作業があります、

そのプリセット作業を スローアウェイのフライスカッターなどは 一枚いちまい 刃先の高さを合わせることが多いです。

ですので 刃の枚数が増えると おのずとプリセットに掛かる時間が増えてしまうんですね。

再研磨の際も 一枚いちまい研削することが多いので 同様です。

(※他のと比べてそこまで有意差はないかもです)

摩耗の管理(加工条件の見直し)

刃物は ある程度摩耗したら 廃却か再研磨を行いますが、その”ある程度”とはどれくらいなのかも考えてみましょう。

刃物の形状によっては摩耗しすぎると 再生が利かないものもありますので 限界まで使用するのではなく、

再生可能回数が 最適になるように 摩耗量や製品の加工数などを設定したいものですね。

逆に これ以上再生ができないところまで 使用したら 我慢できるギリギリまで 使用するのもありかと思います。

加工工程にも注目する

例えば 段付きドリルは一般に 通常のドリルより価格が高いですが 面取りなどの加工を同時にできるというメリットがあります

工具チェンジの時間も減りますので 加工時間の削減にも繋がります。

逆に一回の刃物で 面取り時間分サイクルタイムが伸びますので 複数のマシニングなどでのライン生産などでは、

マシニング同士のサイクルタイムを合わせるために 段付きではなく ドリルと面取りドリルを敢えて分ける という考え方もあります。

最近はバリが出ないドリル なども登場しているらしく、バリ取りの工数でお悩みの方は 活用してみるのも良いかもです

おわりに

お疲れ様でした。

今回は切削工具の視点から コスト改善で考えることの一部をお伝えしました。

今回紹介した内容以外にも そもそも寿命を延ばす活動・クーラントを含めた検討・コーティングの検討など

様々な考え方がありますが、今後機会と需要があればお伝えできればと思います。

刃物の性能が上がる一方、値段が高くなってきていますので 刃具の買い方、使い方を考えてみてはいかがでしょうか。

 

今回もお読みいただきありがとうございました!

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