基礎知識 生産管理SQCD 納期・生産

【改善のネタ帳】SDロス(シャットダウンロス)をもう少し詳しく

お世話になります。

前回に引き続き 16大ロスの記事で触れた シャットダウンロスについて、もう少しばかり詳しく書いた記事になります。

よろしくお願いします。

↓16大ロス概要

良品率
【改善提案のネタ帳】生産活動の16大ロスを覚えて活かす

お世話になります。 今回はTPM活動などでおなじみ、生産活動の16大ロスについて 覚え方、と言うよりは考え方についてお伝えします。 ロス と言うと聞こえが悪いですが、逆に言うと生産活動の『改善代』とも ...

続きを見る

今回の内容

・シャットダウンロスとは

・改善の目付き

シャットダウンロスとは

シャットダウンロス(以下SDロス)とは設備の計画的な保全(メンテナンス)や、その後立ち上げの際に発生する 時間的・物量的なロスの事になります。

清掃や点検などが例として挙げられますね。他には部品交換や、大規模な補修工事、その後の動作・精度確認が含まれます。

清掃は点検なり

清掃とは 掃除をして綺麗にすることだけでなく、同時に悪いところはないか・何が悪さをしているかを点検すること。

と言われることもありますが、今回の記事ではその辺りはラフに扱ってます。

ロスの区分け

設備を維持するためにも 点検や部品交換などは必ず必要なものとして 捉えられていることが多く、

故障ロスや段取り調整ロスなどの 設備の効率化を阻害する7大ロス とは少々別の要素になります。

7大ロスは主に設備の稼働率に影響する要素に対して SDロスは設備の操業度に影響する要素と言われています。

点検や部品交換は、大きなくくりとしては必ず必要とされてますが、

そのやり方や回数などにはロスが含まれていることもありますので、今のやり方が正しい と思わず、見直していきましょう。

改善の目付き

SDロスに対する 改善の目付きと例をザックリと紹介します。

清掃・点検時間の短縮

清掃や点検のやり方を変え、安全性や効率を上げる

・駆動用のベルトのテンション測定で  測定器が通るだけの穴をあけておき 毎回ベルトカバーを取り外さなくてもよい様にする。

・ベルトの外観チェックで のぞき窓や カバー自体を透明にし、ベルトカバーを取り外さなくてもよい様にする。

・高い所や狭い所にあるメーター類は 近くに移動させたり 鏡やカメラで見えるようにする。

・清掃で狭い溝など用に専用の清掃道具を製作する。

清掃・点検周期を伸ばす

清掃点検・部品交換の周期を延ばすことで、作業回数を減らしロスの時間を減らす

・毎日 毎週のように行っている点検については 本当にその周期でなければならないのかを検討する。

・ベルト交換後しばらくはベルトが伸びやすいので 交換後1週間は毎日点検し その後は1週間おきに点検、その際変化が見られれば周期を短くしていくなど。(点検部位の特性を理解する)

・正直な話 毎日○付けだけをしているところは 1週間おきや1か月おきなどに変更し、その時だけでも真面目に点検する。

・切屑などの飛散については 局所カバーを作り 毎日行う必要がある清掃範囲を減らす。

・部品などは、高性能 高寿命なものがないか探し 交換の回数を減らす。

清掃・部品交換の基準を作る

まだ使える部品を交換すると その分ロスが増えますし、毎日のように設備をピカピカに磨く必要はないかもしれません※。

この辺りは作業する人の主観も入るところですので、論理的・数値的な基準を明確にしましょう。

部品などの摩耗については 外観だけでなく、測定器を使って数値的に管理できる状態が望ましいですが、

部品を交換する時間と値段より 測定する時間の方がロスの大きい場合などもありますので、その辺りは折り合いをつける必要がありますね。

ただ 測定に掛かる時間が改善できないか 考えたうえで検討しましょう。

※割れ窓理論

犯罪学でよく使われる用語。(詳しくはググってください)

設備をピカピカに磨く必要はないかもしれません、とは書きましたが、

安全・品質に影響がない汚れでも 放置しておくと 「このくらいはええやろ」となり、汚れが放置される原因にもなります。

少しの汚れも放置しないことで 後々発生する汚れを抑制できることもありますので、

その点を含めて どこまで清掃するか 検討する必要があります。

ただ、やりすぎになってないか は注意です。

やり過ぎくらいがちょうどいい という言葉もありますので やりすぎていいのかもしれません。(熱い手のひら返し)

職場の方針に合わせて活動しましょう。

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

-基礎知識, 生産管理SQCD, 納期・生産
-, , , ,