安全管理 技能士の雑記 生産管理SQCD

【チラシ裏安全会議#2】安全活動の進め方を考える

お世話になります。

前回に引き続き チラシ裏程度の内容で 安全について考える会です。

前回は そもそも安全とは何ぞや、という話をしました。

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【チラシ裏安全会議】安全ついて考える会【そもそも安全とは何だ?って話】

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第2回となる今回は 安全活動を行う際の 進め方や考え方について 私なりに考えたものをお伝えできればと思います。

「安全活動ってどんなことをやるの?」という若手の方や、

「活動が浸透しないんだけど?」という活動のリーダーの方への参考に・・なるかは正直分かりませんが、

出来るだけ本音の部分を大事にして お話をします。

よろしくお願いします。

今回の内容

・偉い人の理念や宣言を周知する

・考え方の原典(教え)を用意する

・原典から活動の方針・柱を作る

・方針・柱から具体的な取り組みへ

 

STEP1 偉い人の理念や宣言を周知する

何はともあれ まずは リーダー の考えを従業員、事業者クラスの場合は社会へも伝えます。(事業者の場合は法令上も大事です)

理念や宣言などは だいたい社長であったり 統括安全衛生責任者が行うことが多いですが、

チームの規模によっては 職場の管理者や 活動のリーダーが行うこともあると思います。

※なおリーダーと言っても 活動の中ではメンバーの一人でもありますので 実際に偉そうにすると 多分人はついてきません。

理念と宣言の周知

例があった方が 分かり易いかと思いますので 今回はチラシ裏安全委員会:会長なお会員は1名である私、きり彦が安全宣言をします

今回は「関わる人全ての 安全と安心を守ります」とします。どちらかというとスローガンっぽいですね。

このブログは 若手の方・新人リーダーの方に向けて運営してますので このくらいラフな方が分かり易いかなと思い、この宣言としました。

対外的ないい感じの言葉は だいたい偉い人が用意してくれます。大事なのはリーダーの考えを全員に共有してもらうことです。

メンバーが理解し・心に留められない 宣言には意味がありません実際会社の理念・宣言なんて8割くらいの社員は覚えきれてないと思います

理念ですが 正直あまり良い感じのことを考える必要はないと思います。大事なのは 活動をやるぞ!という強い動機です

自分が怪我をしたくない でも、上司からの評価を上げたい でも なんでもよいです。考え方の善悪でなく 活動に対する熱意の方が重要です

STEP2 考え方の原典(教え)を用意する

活動を行うに当たっての 教えを作ります。原典とか教えとか言うと ものすごく宗教を感じますね!

宗教云々は冗談として このステップでは 安全についての考え方や 安全作業ができない要因を洗い出し、全員で共有化します

原典の用意

いきなり活動方針や 具体的な活動内容を決めても良いのですが 方針や活動内容が 何のためにやっているのかを 全員が納得しておかないと  活動のための活動になりかねません

このステップの個人的なポイントは 考え方を洗い出す時は 出来るだけネガティブな言葉であったり 安全意識の低い発言を取り上げるのが良いとおもいます。

例えば「誰にでも覚えやすく守り易い、簡単なルールにするのが大事」よりは「面倒くさいのは守らんし、覚えられん」の方が良いといった具合ですね。

結局 「○○すべき」 というのは 「△△だから○○すべき」の言い換えになる事が多く 「△△だから」という基の考えを理解して活動できる方が良いので。。

あとは「人はミスをするもの」「知らんものは知らん」などの考えの方が 「ミスの原因や環境を責めて ミスをした人を責めない」という風土ができやすいのでお勧めです。

STEP3 原典から活動の方針・柱を作る

安全に対する考え方を決めたら どのように活動するか 方針を決めます。活動の柱と言い換えられることもあります

方針・柱を作る

ポイントは 活動の方針はすべて STEP1の理念やSTEP2の考え方の原典から作るということです。

いきなり方針を考えると後の活動が 方針に沿うための活動になり易くなります

例えば

・先取安全を行うことによって災害・事故の未然防止を行う

より

・災害が起こってしまってからでは人は守れないので先取安全による災害・事故の未然防止を行う

の方が、災害から人を守ることが目的で 先取安全はそのうちの手段の一つ であることが分かり易いかと思います。

STEP4 方針・柱から具体的な取り組みへ

理念・原典から方針を決めたら それに対する具体的な取り組みを 考えていきます。

取り組み内容を考える

ポイントは 理念・原典→方針→活動内容 と本来の自分たちの考えから 引っ張ってきたものであるかが大事です。

この時活動内容の基となる原典は 複数あっても構いません。むしろ具体的な活動内容は 自分たちで考えた原典の 出来るだけ多くの項目を満たしているか、見直してみるのが大事です。

例えば 「リスクアセスメント」という活動で考えてみましょう。

※リスクアセスメント:潜在的なリスクの洗い出し・見積もりを行い そのリスクの低減が出来るような措置をとる活動

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【安全】RA:リスクアセスメントの進め方と実際

お世話になります。 前回チラシ裏の安全会議#2で リスクアセスメントについて触れましたが、 今回はリスクアセスメントとはどのようなものか、やり方などについての記事になります。 よろしくお願いします。 ...

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・ヒトの命を災害から守るために 先取安全の一環としてリスクアセスメントを行う。

・先取安全のために リスクアセスメントを行う

・リスクアセスメントをしないといけないから リスクアセスメントを行う

同じリスクアセスメントでも 前者と後者では 活動の内容が変わってくるかと思います。

後者の方は大体が リスクアセスメントという名の 「事務所でシートを埋める作業」になりがちです。

また原典の出来るだけ多くの項目を満たしているか を見直す、と先ほどは言いましたが、これは活動の質の向上につながります。

もう一度チラシ裏の原典を見てみましょう。

原典の用意

これもリスクアセスメントの例での説明になりますが リスクの低減措置に於いて

「注意する・気を付ける」ではそのうちミスが起こりますし、

「危険なところに表示をする」では 慣れて表示が風景化し、目に入らなくなったら意味がありません。

「安全な作業手順を作る」ではそのルールが面倒くさいモノであれば破る人が出てきます

といった具合に、原典を用意しておくと 具体的な活動をするうえで 活動内容の道しるべにもなるのです。

おわりに - 理念や考えを浸透させ 日々見直そう

お疲れさまでした。

今回は安全活動の進め方についてお話ししました。

大事なのは安全に対する考え方を メンバー全員が理解・納得・共感できているか になるかと思います。

活動を浸透させるには日頃から宣言や考え方を口に出すことです。

チラシ裏の安全宣言を覚えていますか?「関わる人全ての 安全と安心を守ります」です!

結構シンプルにまとめたつもりですが この記事を読む間の時間で 忘れる方もおられるのではないでしょうか?

また、宣言や原典を使い 日々活動を見直すことによって 色々気づきが生まれるかもしれません。

刻々と変化する現場において リスクアセスメントだけが先取安全と言えるのか?考えるきっかけにもなったり(SKYとかもありますよね)、

先ほどは

「危険なところに表示をする」では 慣れて表示が風景化し、目に入らなくなったら意味がありません

と書きましたが、私の安全宣言では関わる全ての人を守ります、と言っていますので、

初めて現場に来る方が危険なところに気づけるように「危険なところに表示をする」は意味がないことではありません

このように活動に対しての 見直しも大事にしたいですね。

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

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