お世話になります。きり彦です。
突然ですが【QCD】または【SQCDM】という用語を知っていますか?
学生の方や生産現場に入りたての方は少々馴染みのない言葉になるかもしれませんが、生産活動における重要な要素のことを言います。
生産活動を行う上で避けて通れない、どころか下手をすれば引退までずっと関わってくる内容になるかもしれません。
今回は簡単にはなりますが生産現場ではどのような活動をしているのかお話しできればと思います。
よろしくお願いします。
今回の内容
・生産活動の【SQCDM】とは?
・それ以外の活動はないの?
生産活動の【SQCDM】
SQCDMとは、それ自体が一つの単語ではなく職場が行う活動の頭文字を並べた用語になります。
S:安全 Q:品質 C:コスト D:納期 M:モラルまたはモラール となっています。
それではこの5つの項目について1つずつ確認しましょう。
安全 S:セーフティ
働く人(労働者)の安全と健康を守る活動です。またお客様(消費者、生産に於いては後工程の労働者を含む)への安全に配慮した活動でもあります。
「安全第一」と言われるようになって久しいですがほとんどの製造業で最優先とされる活動です。
誰もが怪我をするのは嫌ですし、自分の目の前で誰かが怪我をするのを見たいと言われる方はいませんよね。自分・仲間・家族の心と身体を守る活動です。
また会社の経営としては労働災害が起こると現場確認・原因追及・対策などで生産が停まる、社会からの信用・信頼が低下する、などの視点からも重要な活動とされています。
品質 Q:クオリティ
品質とはザックリ言うと製品やサービスがお客様の要求に対してどれだけ合致しているか、というものです。
製品だけでなくサービスも対象となっているのがポイントでしょうか。
製品についての品質は設計品質と製造品質に分けられます。
お客様の要求に合うように製品を設計する、設計段階での品質のことを「設計品質」と呼ばれます。
そしてその設計通りに製品を造ることができるかどうかを「製造品質」と呼びます。
お客様が物を購入するときは性能だけでなく安全性や値段、納期などの視点から検討されることになるので、
品質とは安全、コスト、納期すべてを含めたものと言えるのではないでしょうか。
このような品質を維持・向上を図るのが品質の活動となります。
コスト
製品を製造する原価を管理する活動です。
企業の利益だけでなく、利益計算の基となる製品の価格や販売量にも影響します。
企業は利益を出さないと潰れてしまうので原価の管理活動は企業の存続に関わると言って良いのではないでしょうか。
原価の活動は主に以下の3つからなります。
・原価維持
・原価改善
・原価企画
これらは設計時または製造時どのタイミングで原価を管理するかで考え方が分けられます。(今回は割愛させていただきます。)
納期
お客様から要求された納期を守ること、企業側からの視点では製品を売りたいタイミングで売れるように生産を管理する活動です。
基本的にはより早く製品を造ることが出来るようにする活動ですが、一部のお客様は手に入りづらい物に価値を感じられる方も居られます。
お客様に早く届けるだけが価値ということではありませんが約束した納期を守る、というのは企業の信頼に関わることです。
もう少し具体的にすると、需要・受注に対して仕事がどの程度進んでいるのか、生産の進み具合を調整したりする活動になります。
モラル/モラール
モラルとはいわゆる道徳・良心、モラールとは意欲や態度または士気のことを言います。
どんなにルールや手順が決められていても、どんなに厳しい品質上の管理項目があっても守る人がいなければ意味がありません。
また意欲が少ないと改善や提案が生まれにくく生産性が上がらないということもあり生産活動のある意味土台と言えるのではないでしょうか。
職場全体の士気を上げる活動、転じて従業員の心とやる気を守る活動になります。
その他の活動
以上生産のSQCDMについてお話ししましたがその他にも企業の活動はありますので紹介します。
生産性と環境
企業とは営利集団であり、良い製品を造り儲けを出し株主に還元し企業を存続しないといけません。
また従業員の暮らしを守るためにも利益を追求しなければまりません。
生産性とはザックリ言うと資源(労働力・材料・設備など)から価値(製品・サービスなど)を生み出す際の効率のことを言い、
利益を向上させるためには必ず必要とされる考え方です。
環境
最近特に重要性が高まっている活動です。よくニュースでも見かけますよね。
企業とは当然、社会の一部ですので社会・自然の環境を守るというのも企業の責任の一つです。
設計段階、製造段階問わず資源を無駄にしない、環境を汚染しないためにはどうするかを考え活動するという内容です。
物を売るまで、ではなく使用されて廃棄するまでを考えることが大事です。
おわりに
お疲れさまでした。
今回は【SQCDM】+αについてのお話をしました。
最初は【QCD】と言われていた活動も時代の変化に合わせ安全や環境など様々な責任や使命が増えてきました。
最近では製品の多様化が進んでいることもあり【柔軟性 F:フレキシビリティ】というのも大事になってきているそうです。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!