基礎知識

機械加工の手順・条件ってどんな感じで決めるの?って話

お世話になります。きり彦です。

今回は機械加工の手順・条件決定の流れについてお話させていただきます。

様々な機械加工のすべてに当てはまるわけではありませんし、ベテランの方からすると「何を今さら」「そりゃあ違うじゃろ」と思う内容もあるかとは思いますがお付き合いくださいませ。

よろしくお願いします。

 

今回の内容

・広く新人・若手の方の悩み

・手順・条件検討の流れ

・技能の世界に計算での条件設定って必要?

 

広く新人・若手の方の悩み

学校や会社の教育の場では分野問わず様々なことを習うと思いますがいざ実践、仕事の場になるとうまく習ったことが活用できない。

こんな経験皆様にもありませんか?旋盤の加工条件の例を挙げてみますと、

座学ではこのように、切削速度を求める問題ではそれ以外の条件が与えられ、回転数を求める際にも同様にそれ以外の条件が与えられ、ってパターンが多いかと思います(先生にもよりますが)

しかし現場に出てみると、毎回すべての条件が与えられているわけではないので習ってきた計算式だけでは上手く答えが出せないことがありますよね。

 

この時周囲の方に聞いて解決できれば良いのですが、「上司は忙しそうだし…」「先輩に聞くのはちょっと怖いし…」みたいな感じで解決しない場合も多く、うまくいく場合もありますが、しばらくは毎回困り続けることになることがあります。

さらにこの状態を放置すると自分が先輩の側になったときに後輩からの質問にうまく答えられないなど負のスパイラルに陥ることもあります。(何ならそれが続いた場合上司ですら条件設定がよく分らん、ってパターンもあります)

新人・若手の方の中にはこのようなことを悩まれている方もおられると思いますので

今回は手順・条件設定の流れを簡単にですがその一例を紹介しようかと思います。

手順・条件検討の流れ

今回は旋盤を例にしていますが他の加工でも同じ感じになるのではないかと思います。

製品情報の確認

なにはともあれ製品情報の確認です。与えられた図面から形状や要求精度・材料の種類を確認します。そしてこの製品を製作するにはどのような作業工程が必要か洗い出します。

焼き入れやメッキなど表面処理の確認も忘れてはいけません。

大まかな作業手順検討

製品情報を確認後は大まかな作業工程を検討していきます。洗い出しを行った作業工程から品質面・作業性・効率などを考慮してどの順番で作業するかを考えます。

例えば振れの精度が厳しい+溝入れ+ローレットのような製品の場合、溝入れやローレットは他の作業に比べ円周方向(径方向)の負荷が大きいため他の作業より先にやっておく、

例えば作業の順序によっては測定する基準が取りにくくなることがある場合では先に必要な寸法を出しておくなどです。

焼き入れ等が必要で製品の変形が考えられる場合は荒加工後先に焼き入れをし改めて仕上げ加工を行うことも考えなければなりません。

治工具・刃具・測定具検討

実際は手順検討と合わせて考えることが多いです。製品の情報から検討していきます。

治工具・・・長い製品なら振れ止めが必要だったり、肉厚が薄いパイプ状のものなら専用の治具が必要だったり。

刃具・・・製品の材質から相性の良い刃具の選定を行います。

測定具・・・製品の形状、要求精度から何で測定をするか検討します。(公差0.5mmならノギスで十分・0.02mmだからマイクロ使おう、など)

実際は自分が持っている道具を使用するしかない場合が多いですが…

切削速度(+回転数)

刃物が決まったら切削速度を確認し回転数を決定します。

切削速度・・・主に刃具と製品の材質から設定します。刃具メーカーさんのサイトやカタログに推奨値が書いている場合が多いので参考にしてください。

回転数・・・切削速度と製品サイズから設定します。加工内容・精度によっては理論値より下げないといけない場合があります(偏芯加工など)

基本的には切削速度から回転数を設定します。これも自分が持っている設備によっては限度がありますね。

送り速度(送り量)・切込み量の検討

製品に要求される表面粗さや設備動力などから送り速度や1回移転(1刃)当たりの送り量や切込み量を設定します。

仕上げ加工時には表面粗さ・荒加工時は設備動力や製品が耐えられるかを気にすることが多いです。

表面粗さは1回転当たりの送り量と刃先形状によって変化します。

設備動力についてはギリギリを攻めずに余裕をもって決めましょう。

 

手順・条件検討はこんな感じでしょうか。実際は自分が持っているものを使う場合がほとんどなので理想的にいかないこともありますが…。

他にも経済性や作業時間など考えることは多いですがとりあえずはこのような内容が検討できれば十分な気がします。

 

技能の世界に計算での条件設定って必要?

ここまで説明させていただきましたが実際は、回転数や送り速度をなんとなくで設定してうまくいく場合も多かったりや実際はあるものを使うしかなかったりする場合もあり、条件の設定を計算とかで出す必要があるのか、と思われる方もおられるかもしれません。

しかし現在、汎用機で物を作る会社も減ってきておりNC工作機械(数値制御の設備)はこれからどんどん増えていくことと思います。

その場合今までは手の感覚で行ける行けないを判断できていたことができなくなり、安全に、品質よく、設備を故障させずに効率を上げるにはどうしても計算での条件設定も必要になっていくことと思います。

それにベテランの方は結構条件について聞かれると「ん~、まぁノリやな」みたいに応えられる方もおりますが実際は昔計算した結果を思い出して使っていたりするので完全にノリではやっていない場合がほとんどです。

おわりに

お疲れ様でした。

今回は手順・条件の検討についてザックリですが流れを説明させていただきました。

いつもの事ながら少しでも参考になればと思います。

細かい内容については後日改めて記事にする予定です。

 

お読み頂きありがとうございました!

 

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