お世話になります。
以前 技能検定 マシニングセンタの作業内容をザックリ説明させて頂きましたが、それぞれをもう少し詳しく、ということで
今回は仕上げ面の状態観察についてお話いたします。
作業内容概略はこちら↓
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技能検定 マシニングセンタの内容と練習時のポイントについて
お世話になります。きり彦です。 前回に引き続き、今回は技能検定・マシニングセンタ作業の 内容と練習時のポイントについてお話しします。 今までと違い 今回は原則1級のみの説明になりますが 2級については ...
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よくマシニングセンタの検定は実務的ではない との声が上がったりしますが、できれば実務面との関係についてもお伝えできれば、と思います。
よろしくお願いいたします。
今回の内容
・課題の内容とポイント
・実務との関係や 思うこと
課題の内容とポイント
H29年度の内容を基にしています。必ずしも同じような課題が出るとは限りません。
(責任は持てませんよっていう逃げです!すいません!)
課題の内容
穴が開いたワークが5つと 加工方法の選択肢が与えられるので
それぞれのワークに対してどの加工方法で加工したものかを選択する内容です。
他の課題に比べると 難易度はそれほど、と言った感じですが それでも知らない加工方法が出てきたり、
リーマとボーリング という風に判断に悩むものがあるので注意しましょう。
ワークに番号が振っている場合はそれも 回答に書きます。(試験問題概要に書いています)
課題のポイント
一番の勉強法は 実際に加工されたものを見ることだと思いますが、ポイントとしては 各加工方法の特徴と 一般的な姿を掴んでおくことです。
ドリルは粗く、むしれ勝ち・エンドミルは縦スジが入りやすい・ローラーバニシングは鏡面および半鏡面になっているなど。
リーマとボーリングがやや 判断しづらいですが 虹色っぽい光沢があれば ボーリングの可能性が高いでしょうか。
(資料にはツールマークがつながっているとありますが 一概には言えませんね)
余談ですが この課題にバニシングドリルが入っていたら一気に難易度上がりそうですね。
あと 穴あけのことを単にボーリングと呼ぶことが多いですがその辺はどうなんでしょう?
実務との関係など
短くはなりますがこちらが本題です。
加工面の確認や判断は 基礎的な内容にはなるかと思いますが、基礎だけに重要な面があります。
加工した製品の品質に異常が見られる際は 当然原因の追究および対策の検討を行うかと思いますが、
最近は色々 測定器なども発達しているもので すぐさま粗さやうねり・設備の振動などに異常がないかなどに目が行きがちです。
しかし加工面を見てみると 刃物が二枚刃にも関わらず 一枚刃で加工した様な面になっていたり、
送りが一定にも関わらず 不規則なツールマークがあったり、
R加工からの立ち上がりや、位相が変わるときに 変化があったりなど、
加工面は色々なことを 教えてくれますので データなどを見るよりも 先に加工面を観察した方が解決が速い場合があります。(逆もありますが)
そういった面から 普段の加工での正しい姿を観察しておくことは結構大事なのではないかと。
また 他社の製品や、職場の先達の方の成果物を見るときに どのようなツールで どのような手順でやったかなどが 加工面の観察からわかることもあります。
検定に於いては一定の知識・技能を有していることを 証明する、という立ち位置だと思いますので、
加工方法についての 知識や 特徴・一般的な姿が理解できているか というところを見られているのではないかと。
今回の内容については 他の課題と合わせて 実務に活きてくる面がありそうですね。
おわりに
お疲れ様でした!
今回は加工面の観察、とりわけ 穴加工を重点に その重要性など、私が思うところをお話しさせて頂きました。
ベテランの方は 加工面を見るだけで その製品がどの様に生まれたかが 分かる方もおられると聞きますが、
私もそのようになってみたいものです。
余談ですが 私は旋盤をやることが多いので ボーリングと聞くと 中ぐりを真っ先にイメージしてしまい、
マシニングなどでは 多刃工具もあることを忘れがちになってしまいます。
会社の教育資料などを作る際も結構困りごとなんですよね、これ・・・
どうにかならないものか…イメージって怖いですね。
今回は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!