お世話になります。
今回は生産活動の16大ロスの内 段取り・調整ロスについての補足です。
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【改善提案のネタ帳】生産活動の16大ロスを覚えて活かす
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よろしくお願いします。
段取り・調整ロス
段取り・調整ロスって何ぞ?
16大ロスについての記事では ”ワークパレットを切り替えたり それに伴う位置決め”、と かいつまんで書きました。
もう少し詳しく言うと 製品を切り替える際に発生する
・治工具の脱着
・掃除
・試し加工~検査(調整)
などが挙げられます。
製品を切り替えて 次の製品の品質が安定するまでの 時間的なロスや物量的なロスのことですね。
治工具の脱着
上の方にはワークパレットを~とは書いていますが 実際はイケールやバイスを替えることが多いですね。
最近はパレットを小型にして パレットごと交換、みたいなのもありますが・・。
治具の交換については
・生産方式(多品種少量生産、少品種多量生産)
・製品のサイズと生産量の構成
などによっても改善の目付きが変わってきます。(一番いいのは交換しない)
少品種多量生産では 製品取り付け部の規格を合わせることで 治具を交換せずに 製品を切り替えることを狙うこともできます。(特に自社製品の場合)
小型の製品が多い場合は パレットに 複数の製品用の治具を取り付けられるようにして そもそも治具の載せ替えをしないとかも出来るかもしれません。
また 内段取り・外段取りという言葉もあり、複数の治具を組み合わせて設備に取り付ける場合は、
前の製品の加工中に ある程度の治具を組み付けておき(外段取り)、組付けた治具を 設備に乗せる(内段取り)といった具合に、
出来るだけ 設備が動いている時に段取りを済ましてしまう様にするのが効果的とよく言われます。
また長期間治具を着けっ放しにすると ボルトや取り付け部などが錆びて 固着し取り外す時間が長くなる、などのケースもあります。
ボルトをステンレス系に変更して そのようなロスを減らす、という職場もあるそうです。
ただ一般的に同じ径ならステンレスのボルトの方が 引っ張り強度が低いので その点考慮する必要があると思います。
掃除
製品の加工を行った後、治具やパレットなどの清掃を行うのもロスになります。
鉄やアルミ等 製品生産量のバランスによっては 鉄系専用機・アルミ専用機などで 設備を使い分けてしまうのも良いかもしれません。
局所カバーで切屑を飛ばさない、クーラントや加工後にエアブローを当てる方向で 切屑を1方向に集める、なども効果があります。
場合によっては カバーやノズルの方向の調整で ロスが増えるという場合もあるので注意しましょう。
当然 掃除用に専用の道具を作るといった改善方法もあります。
試し加工~検査(調整)
段取りを切り替えたら 初品の加工と検査を行います。
良品が流れ出すまでがロスになりますので、如何に一発で良品を出すか というのがポイントになります。
この辺りは立ち上がりロスとも似ていますね。
改善の目付きとしては
・如何に同じ位置にワークを付けるか
・位置情報の観測をどうするか
・傾向値管理
などが挙げられるかと思います。
基本的には毎回同じ位置に ワークが取り付いていれば 同じように良品が出ることが多いです。(出ない場合もあります)
特に加工前にタッチセンサで位置を取らないような設備では ワークの位置に気を遣う必要があります。
パレットにピンを指していてそれに当てる。テーパピンなどで位置を拘束するなどがありますが、最近ではデータムピンなるさらに精度が良いものもあるそうですよ。
気にされない方もいますが、治具やローダーなどの摩耗によって位置がずれることもあるので 摩耗の管理も必要になるケースもあります。
NC機にはワーク位置を検出するセンサが付いていますが、位置の検出をワークだけで行うか ワークと治具で行うかでもこの辺りは変わるかもしれません。
初品の場合は治具の位置も検出させた方がいいかもしれません。(雑に治具を取り付けて センサで位置確認後 座標回転などで調整とか)
また調整時の状況を記録しておけば 「交換後は大体ここの寸法が大きくなる」など傾向が見つかるかもしれません。
この辺りは立ち上がりロスの記事でもう少し詳しく説明できればと思います。
今回は以上で終わります。
お読みいただきありがとうございました!