基礎知識 機械保全 納期・生産

立ち上がりロスをもう少し詳しく

お世話になります。

16大ロスの1つ 立ち上がりロスについての 補足になります。

良品率
【改善提案のネタ帳】生産活動の16大ロスを覚えて活かす

お世話になります。 今回はTPM活動などでおなじみ、生産活動の16大ロスについて 覚え方、と言うよりは考え方についてお伝えします。 ロス と言うと聞こえが悪いですが、逆に言うと生産活動の『改善代』とも ...

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よろしくお願いします。

立ち上がりロスとは

16大ロスのまとめでは『立ち上げからトラブルなく 品質が安定するまでの時間』としていますが、

簡単に言うと 生産を中断した後 再開する時に いい感じに生産が出来るまでの時間 です。

生産を中断』、とは

・定期的なメンテナンスによる停止

・昼休憩や直間での停止

休日や長期連休での停止

以上の事などを言います。時間的な定義は やや曖昧ですが、0.5H~1H以上の停止からの再開が 一般的な感じがします。

いい感じに生産』とは、

定められた 加工速度で生産できる。

・製品寸法のバラツキに 傾向がなくなる

・立ち上がり特有の チョコ停がなくなる

この辺りの事でしょうか。

チョコ停については チョコ停ロスの方に含めるか悩むところですが、生産開始直後に頻発するチョコ停は立ち上がりロスに含めていいかと思います。

事例や改善の目付きなど

熱による 設備や製品への影響

特によく言われるのが 熱による製品寸法への影響です。

生産開始前後で 設備や製品の温度に差が出た時に、設備や製品の伸び縮みによって不良品が出る場合があります

寸法公差がラフな製品ではそこまで問題になる事はありませんが、数μmを狙うような高精度の加工では気を遣う必要があります。

この辺りは 汎用機・NC機共に同じことが言えますね。

年間を通して 冬場は暖房をつけてしまうと温度差が大きくなるので特に注意が必要です。

私の職場では 暖房の真下に設備が置かれている、という事も以前あり結構困った記憶があります。

対策するのが中々難しい所にはなりますが、一番いいのは気温を常に同じにしておくことなのでしょうね。

とは言えお金的にも中々そうはいきませんので、気温や作業継続時間による寸法変化の傾向を探って 補正していく感じになる事が多いかと思います。

近年では温度センサで気温を測り 測定結果により補正を行ったり、インプロセス測定などで対策するのも見かけますね。(お金は結構かかりますが)

インプロセス測定

設備稼働時、加工中や組み立て中に 自動でワーク寸法や刃物・工具状態を測定してくれるやつ。 助かる。

なお物によっては温度差で測定器ごと寸法誤差が出る模様

また、油圧装置などは 立ち上がり時 温度が低い場合、粘度が高くなり動きが遅くなる物もあります

長期停止後は 生産開始前に暖機などをするのもいいかもしれません。

暖機運転がそもそも立ち上がりロスですが開始するタイミングによっては 生産時間中のロスも減りますし、

タイマーで生産時間前に暖機だけ といったやり方もあります。(無人の場合は 火災のリスクなど検討しましょう。)

プロセス生産の開始時

プロセス生産

組立や機械加工とは違い、粉末・液体・薬品などを 調合・混錬・分離など 化学的反応を伴い 生産する方式。

混合ガスを作ったり、連続鋳造したり、そんな感じのやつ。

プロセス生産では、生産開始序盤に 混合比や濃度がばらついたり、前回生産時の材料がゴミや不純物になったものを切り捨てる事があります

この時の時間的なロスと 無駄に切り捨てた材料(物量的ロス)も立ち上がりロスになります。

私はやや専門外なので改善案は出せないのですが、聞いた話によると 開始時に材料の投入速度を下げると改善されるケースもあるそうです。

高炉や焼入れ装置

鋳造を行う高炉や 熱処理を行う焼入れ装置では設備を停止させると 温度が下がってしまい 再開時に既定の温度に上げるまで大きなロスがあります

大きな設備になると数時間どころか、生産再開までに日単位でロスが出る場合もあるとか・・。

改善案としては、生産量が少ない時は サイクルを遅くし少人数で対応する、停止時間によっては加熱だけは続ける、という事があるそうです。

逆にエネルギー的なロスは大きくなるので、そのあたりのバランスは上手く取る必要があります。

安易に急加熱すると設備が壊れる場合もあるので 注意が必要ですね。組立や加工でもキンキンに冷えた工具や刃具が割れる、といったケースもあります。

また鋳造や焼入れについては製品のサイズや規格によっては 炉ではなく高周波装置にするという案もあります。

鋳造では 大型や大量の製品には向かないこと、焼入れでは 深くまで焼きが入らない、などのデメリットもありますが・・・。

(焼入れでは深くまで入らないことがメリットとして捉える事も出来ます。靭性が上がるので。)

靭性

いわゆる 物質の粘り強さ。機械加工業界では一般的な言葉かもしれません。

職場の先輩組は 何も知らない新入社員に この辺りからマウントを取り出すこともある。ダルい。

一般的に物質単一では 硬い=靭性が低い、つまり靭性と耐摩耗性にはトレードオフの関係にあるが、

メッキやコーティングでその辺りはクリアできる。高周波焼入れでは表面しか硬さが入らないので、この辺りがメリットにもなるという所以。

トレードオフ

何かを得ると 何かを失う、相容れない関係の事。(両立できない関係)

こういう言い方でも マウントを取ってくる人もいる。ダルい。

私も普段中途半端に横文字を使いますが、横文字に関わらず 相手の知らない用語については優しく教えてあげたいですね。

マウントって言い方も もしかしたら・・・?

 

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

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