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【軸受け】電食についてもう少し詳しく

お世話になります。

今回は軸受けの損傷:電食についての補足記事になります

よろしくお願いします。

軸受けの損傷まとめはこちら。

玉軸受け図解
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今回の内容

・電食とは

・原因と対策

・余談

電食とは

電(気に)食(われる)と書いて電食です。

転動体と軌道面の間に電流が流れ スパークすることで発生します。

電食が起きた面は 洗濯板状?の凹凸が発生しますので 摩耗や溶着の一種と思いがちですが 現象としては腐食のお友達になります。

なので (気による腐)と捉える方が正しいのかなと思います。

電食

発生部位

内・外輪の軌道面と 転動体に発生します。

電動機用(特にインバーターモーター)で発生しやすいとされます。

場合によっては 電動機から離れていても 発生するそうですが・・・。

インバーターモーター

ACモーターにおいて 周波数(Hz)を調節し 回転速度を変化させるやつ。回転速度によりトルクが変わる。

似て非なるものに ブラシレスDCモーターというものがある。こちらはトルクを任意に制御できる。

電食の見た目

軌道面については 洗濯板状の凹凸が発生します幅とかは場合によるので 画像検索などで 確認してみてください。

(また洗濯板状になる前は 梨地状の肌荒れも起こるようです)

転動体は テンパーカラーのような変色があったり 圧痕やフレーキングのような跡が残る事があります

検定で出る場合 軌道面の写真が出たら見やすいのですが 転動体の場合は やや判断に困るかもしれません。

特に円筒ころ軸受けの転動体は 圧痕やピーリング(微小剥離)と区別が付きづらいです。

スパークした跡が 変色、または焦げたようになっていることが多いので その辺りで判断しましょう。

再使用は出来るの?

テンパーカラーと同じく 高度の低下を伴う事もあり 基本的には再使用はできません

また フレーキング(うろこ状の剥離のやつ)に繋がる事もあります

原因と対策

原因

記事の上の方でも触れましたが 転動体と軌道面の間に電流が流れ スパークすることで発生します。

電動機の機軸から電気が流れることが多いようです。

特にインバーターがある場合は 対策なしの場合 ほとんど発生するものと思いましょう。

今回の趣旨とは少々違いますが 転動体・保持器・軌道輪の材質によっては 水分の侵入により 軸受け自体が電源となる場合もあります。

この場合も電食が発生するのですが こちらは ガルバニック腐食と言い 少し別の概念になります。

ガルバニック腐食

異種金属接触腐食の事。強そうな名前である。

異種金属間に 電解質の溶液(水とか)が入ると電池みたいになって 片方の金属に電気が流れ腐食すること。

機会があれば 後日詳しく説明できればと思います。

対策

通電を避けることが大事ですので、アースを取ったり絶縁を行います。と言いますか アースと絶縁を組み合わせるのが良いそうです。

負荷側の軸にアース、負荷を受ける側を絶縁ブラケットにすると良いそうな・・・

私はその辺詳しくはありませんので ボロが出る前に この辺にしておきます。

また絶縁ベアリングというものも存在してますので そちらも検討してみてはいかがでしょうか。

・絶縁材料を溶射した物

・セラミックボールベアリング

・オールセラミックベアリング

絶縁性能・強度・精度・値段など色々違いがあります。

おわりに-余談

お疲れさまでした。

今回は軸受けの損傷:電食について説明させていただきました。

電気関係は苦手分野なので あまり細かいことはお伝え出来ませんでしたね。(最近勉強中です・・)

今回のテーマは電食 ということだったんですが 近年 EV車(電気自動車)が出てきたこともあり、

当然動力にはモーターが使われる訳ですが その関係か 軸受けの絶縁耐性についての需要が大きくなっているそうですね。(こちらもあまり詳しくはありませんが)

どのメーカーさんに於かれましても 時代の変化への対応は 大変だなと感じます。

私も 時代の変化に対応して記事を書いて行ければな とは思いますが、いかんせん付いていくのが精一杯な今日この頃です・・・。

 

今回は以上になります。

お読みいただきありがとうございました!

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