技能検定対策 旋盤作業

【旋盤】芯出しのやり方・コツについて(①トースカン編)

お世話になります。 きり彦です。

今回は旋盤作業を行う上で重要な芯出しについて、やり方とポイントを説明したいと思います。

やり方が分からない、時間がかかる、あと少しの芯が出ない、という方の参考になればと思います。

今回はワークをつかんでトースカンでの芯出しまで、記載します。

今回もよろしくお願いします

今回の内容

・芯出しって何ですか?

(チャックには種類があるの?)

・ワークの掴み方

・トースカンでの芯出し

・こんなときどうする

芯出しって何ですか?

芯出しについて説明する前に一般的な旋盤のチャックについて説明させていただきます。

細かい特徴や利点については機会があれば記事にしようかと思います。

旋盤で使用するチャックには一般的に三つ爪の複動チャック4つ爪の単動チャックがあります。

複動チャックとは”スクロールチャック”とも呼ばれワークを掴む爪を一か所動かしたら他の爪も同時に動く機構を持ったチャックです。

対して単動チャックとは”インディペンデントチャック”と呼ばれそれぞれの爪が独立した動きをします。

そのため単動チャックでは爪の位置により回転中心とワークの中心をずらすことが可能です。

芯出しとは主軸の回転中心とワークの中心を任意の位置に調整することを言います。

今回の記事については主軸の回転中心とワークの中心を合わせることを芯出しとさせていただきます。

※四つ爪の複動チャックも存在しますので四つ爪=単動チャックという認識はよくないかもしれません。

私は三つ爪の単動チャックの方は見たことないんですが、存在してるんですかね?

(三つ爪で偏芯加工をしたことがあるんですが計算が結構面倒くさかったです)

ワークの掴み方

芯出しを行う前にワークをチャックで掴みます(チャッキングとか言います)

チャッキングのやり方にもいくつかやり方がありますのでいくつか紹介します。

なんとなく目視でチャッキングする

チャックの爪を同じくらいの量ずつ開いていきワークを掴むやり方。

正直お勧めはできませんが、これで0.5mmくらいなら芯を出せる人がいたりするので驚きです。

(私にはできません!)

スケールを使って爪の位置を合わせる

スケールを使って爪の位置を調整するやり方。あまり経験がない方はこのやり方をする人が多いのではないでしょうか。

チャックにスケールを貼り付けている方もいるそうですが個人的には加工中に外れるのが怖いのでできませんね。

なんとなく目視で掴んでトースカンで振れを見てみて、あまりにも触れが大きければスケールを見ながら調整、て感じで作業される方も見かけます。

チャックのRを利用する方法

技能検定の序盤でお勧めなのがこのやり方です。爪の内側のR部を利用して中心を出していく方法です。

形状やワークのサイズは限定されますが、慣れるとトースカンなしでも荒加工前の芯出しくらいならできるかもです。

図ではわかりにくいですが記載します。(動画だともう少し説明しやすいのですが…)

ワークは一旦手を放しても落下しない位置まで掴んで作業しましょう。トースカンなしでも、とは言いましたが一応トースカンでの確認・調整を行いましょうね。

各爪をワークがほんの少しだけ動くまで当てていくのがポイントです

ワークを掴んだ時点で芯ズレが少ないと芯出しがぐっと楽になるのでなんだかんだ掴み方も大事ではないかと思います。

トースカンでの芯出し

ワークをチャッキングしたらトースカンでの芯出しを行います。

旋盤主軸のギヤをニュートラル、または設備電源を切って作業しましょう。

ワークとトースカンをくっつけてチャックを手で回してみましょう。

そうすると一回転もすればワークとトースカンの間に隙間ができるところと逆にくっついているところが出てくることと思います。

隙間がある所が中心より引っ込んでいて、隙間がない所が中心から飛び出ているところになります。

芯出しで重要なポイントは出したい芯に対して現状がどの方向にどれだけ離れているかを正確にとらえることです。

これが分からないと始まりません。芯ズレの量を確認したらチャックの爪を緩めたり・締めたりして調整します。

トースカンとの隙間が一番大きい側の爪を緩め、その逆側の爪を締めていくのを繰り返します。

ある程度芯が出てきたら締めるだけで調整していきます。(この時のトースカンとの隙間については自分なりに基準を設けておきましょう)

どれだけ芯が出ていればよいかについては人によって様々だと思います。0.5mmくらいはズレてても良いと言われる方もいれば0.1mm以内を狙う方もいます。

芯が出たら加工する前にすべての爪を増し締めして終わりです。(続けてダイヤルゲージで芯出しする方は増し締めしない方がいいかと思います。)

どれだけの力で締めるかについては加工の負荷や製品へのチャッキング痕が残っていいかなどで変わると思いますので周囲の詳しい方に確認してみてください。

こんな時どうする

芯出しをしていたら慣れないうちは、あとちょっとなのにこれ以上チャックが閉まらない、緩めたら逆に芯がズレてしまった、ということが多いかと思います。

芯出し中やワークの脱着の際にワークを落としてしまう方もたまに見かけます。

その原因と対策について説明いたします。(実際は原因は様々かと思いますが)

あと少しなのにこれ以上チャックが締まらない、その時は仕方なく逆側を緩めることがありますが、

緩めるときに注意が必要です。ワークを掴んでいないときに爪を触ってみるとわかるのですが意外とガタがあります。

一度緩め切ってしまうとそのガタ分は動いてしまうことになるので、緩めた後はその爪を軽く締めるようにしましょう。

ワークを落としてしまう方は操作している爪以外のところが問題になっていることが多いので先に軽く締めておいて作業しましょう。

製品を取り外す際は特に注意しましょう。

 

おわりに

お疲れさまでした。

今回はトースカンでの芯出しについて説明いたしました。

トースカンについては置く位置で見やすさが変わることもあるのでいろいろ試されてはいかがでしょうか。

次回はダイヤルゲージでの芯出しについて解説いたします。

【旋盤】芯出しのやり方・コツについて(②ダイヤルゲージ編)

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今回もお読みいただきありがとうございました!

 

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