お世話になります。 きり彦です。
早速ですが皆様、このような公式をご存知でしょうか?
機械加工に携わっている方ですとよく見かける式ではないでしょうか。しかしいざ説明して、と言われると悩んでしまうような内容だったりしますよね。
実はこの説明、私も苦手なんですが、今回は機械加工の回転数・切削速度・送り速度の違いを苦手なりに説明していこうと思います。
例は毎度のことながら旋盤ですが、フライス盤も回転するのが刃物か工作物かの違いだけですので考え方は同じになります。
今回の内容↓
・回転数・切削速度・送り速度とは何か、違いはあるの?
・式の成り立ちについて考えてみましょう
回転数・切削速度・送り速度とは何か、違いはあるの?
回転数について
まず回転数についてです。
ここで言う回転数とは工作物(フライスなら刃物)が一分間に何回、回転するかという意味です。正式には回転速度と言いますが回転速度と言うと切削速度と紛らわしいので私は回転数のほうをだいたい使っています。
単位はについてはSI単位系(国際単位系)では毎秒(S^-1)もしくは毎分(min^-1)とされていますが実際はrpm(アールピーエム:回毎分)を使用する方が多いのではないでしょうか?
(min^-1)と(rpm)はほとんど一緒のような意味ととらえてもらって大丈夫だと思います。
回転数については直径が大きくても小さくても500rpmなら1分間に500回転します。当たり前のことだと思われますが実はそこが切削速度との大きな違いになります。
切削速度
切削速度とは言葉にし辛いのですが、工作物を刃物が削り取る速度のことで、工作物と刃物がどれくらいの速さで接しているか、という意味です。
上の写真を見ていただけるとなんとなく分かっていただけるかなとは思いますが、送り速度との違いが難しく感じられる方も多いですよね。
単位は m/min(1分間に何メートル進む速度で削っているか)です。
ベテランの方に「何メーターで削っとんのや?」と聞かれたことがある方もおられるかと思いますが切削速度のことを聞かれているんですね。
回転数の話では500rpmは径が変わっても500rpmと言いましたが切削速度では同じ500rpm回っていても直径が大きいほうが速度は速くなります。
(※この説明、逆に紛らわしくなりそうで申し訳ないです)
重要なポイント
機械加工では使用する刃物と工作物によって理想的な切削速度があります。
しかし工作物の直径が変わると切削速度が変化してしまいます。なので回転数を上げて速度を調節することが必要です。
つまり回転数の変更とは切削速度を一定に保つ操作なわけですね。
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送り速度
送り速度と言うのは一言で言うと刃物と工作物の位置関係の移動の事です。
刃物を回転した工作物(フライスではその逆)に当てることで切削が行われますが刃物が同じ位置にいると工作物が一回転したら切削が終わってしまいます。(※)
なので切削を続けるためには刃物を動かしてあげる必要があり、その移動速度のことを送り速度と言います。
単位は mm/min(1分間にmm移動するか)です。切削速度はmmではなくmなので注意しましょう。
送り速度は切削速度と共に切削抵抗や表面粗さなどに関係してきます。
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※厳密には一回転しても切削が終わっていない場合もあります。
・式の成り立ちについて考えてみましょう
切削速度を例に式の成り立ちについて考えてみましょう。ちなみに本文での説明は致しません(と言いますか上の図以上の説明が私には難しいです)
切削速度とは何か?から円周とは、距離とは?を整理して組み合わせてみるとよく見かける公式が完成します。(単位も揃います)
公式を暗記するのではなく、言葉の意味・定義から成り立ちを理解し式を組み立てていくことは結構大事なことで、求められることが変わったときの対応力に結構差が出てきます。
特に技能検定の特級を目指されている方は、式を暗記でなく理解する習慣をつけておくと難易度がだいぶ変わるかと思います。
おわりに
お疲れ様でした。
今回は回転数・切削速度・送り速度の違いについて説明させていただきました。理解の助けになれば幸いです。
今回は違いについての説明でしたが後日もう少し詳しく記事にしようかと思います。
お読みいただきありがとうございました!